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フロリダ州におけるデング熱について


  1. フロリダ州マイアミ・デイド郡でのデング熱感染疑い患者の報告
    デング熱と呼ばれる一過性の熱性疾患を発症させるウイルス(フラビウイルス属)は、東南アジア、インド、中米、南太平洋の南北両回帰線の間にある国々を中心に分布しています。

    近年米国本土では1980年に米国テキサス州南部でメキシコでの流行に伴って数件の症例が報告され、2001年にはハワイで限定的なアウトブレイクがありました。7月16日付け、マイアミ・ヘラルド紙によれば、マイアミ・デイド郡内での発症疑い例があったと報じられています。

    米国疾病管理予防センター(CDC)によれば、2009年8月以降にフロリダ州キーウエストで43名の感染者が報告されています(2010年7月14日現在)。また住民の5%が、同疾患に感染した形跡があるとの調査結果が出ています。

    最新の情報・感染者数等については、CDC (Center of Disease Control) 、フロリダ保健局 (Florida Department of Health) のホームページにて御確認ください。
    これから夏休みシーズンに入り、フロリダ州南部、キーウエストなどへの旅行者も多くなることが予想されます。
     渡航・滞在を予定されている方は、最新の関連情報を入手するとともに、以下2.(3)の予防対策をとってください。
  2.  

  3. デング熱ウイルスについて
    • (1)感染源
      デング熱ウイルスを保有する蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に刺されることで感染します。
    • (2)症状
      感染してから発症までの潜伏期間は通常4~7日です。発症時は悪寒を伴い、高熱が3日ほど続いたあと一旦軽快しますが、再び高熱を発するといった、2峰性の発熱を認めることがあります。特に乳幼児、子供と基礎疾患を持つ高齢者が重症化しやすいため十分な注意が必要です。高熱のほかに発症3~4日後に体幹から四肢に広がるかゆみを伴った皮膚の発赤や、重い頭痛、眼窩後部痛、筋肉・関節痛筋肉痛などの症状が3~7日ほどみられますが、通常は1週間程度で回復します。また、異なるウイルス株への2回目の以降の感染で発症が高率化する更に重篤な症状(口・目・鼻などの粘膜から大量に出血する)を伴った、デング出血熱に発展することもありえます。この場合3~6%が死亡すると言われています。
    • (3)治療・予防方法
      現在のところ、デング熱ウイルスに対するワクチンはありません。また、特効薬もなく、症状を軽減するための対症療法が中心となっています。症状や経過には十分注意し、致死的な状況に陥る前に、医師の診察を受けることをお勧めいたします。
      感染予防策としては、蚊に刺されないようにすることが最も大切です。戸外に出るときは、虫よけスプレー(30%DEETを推奨)を使用したり、できる限り長袖、長ズボンを着用すること、蚊の活動が活発な日の出や夕暮れ時の外出を避けること、蚊の発生しそうな下水、水回りの清掃(余分な水たまりの除去)をすることや、蚊の幼虫を殺す殺虫剤の使用をお勧めいたします。

以 上