鳥インフルエンザ(H5N1型)について
現在のところ、米国内で鳥インフルエンザ(H5N1型)の発生は確認されていません。
2003年12月以降現在に至るまで、東南アジアから中央アジア、ロシアの広い地域において高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)等の発生が断続的に確認されています。2005年6月には中国の安徽省において、8月に入ってからはモンゴル、カザフスタン、ロシアなどでも野鳥や家禽類への感染が確認されており、発生地域が拡大していますが、10月13日付け世界保健機関(WHO)発表によると、新たにトルコ及びルーマニアにおいて家禽類への鳥インフルエンザ感染が確認されました。
※日本の主要空港での鳥インフルエンザ発生国からの入国者に対する靴底消毒について
鳥インフルエンザとは?
鳥インフルエンザは鳥類の伝染病ですが、感染した鳥(感染して発症している鳥や感染した結果死んだ鳥)と近距離で接することによりヒトへの感染が起こる場合があります。
また、ウイルスは生きた鳥の糞の中にも大量に存在しますが、鳥の種類によっては感染しても無症状でありながらウィルスを排出するものもあり、現在の鳥インフルエンザ流行の要因の一つとなっている可能性があります。
どのように伝播するの?
現段階では鳥インフルエンザのヒトへの感染は一般的でなく、ヒトへの感染のほとんどは発症している鳥との直接接触(鳥を殺す、羽をむしる、料理の準備など)によるものです。しかし、鳥インフルエンザ・ウイルスの感染地域の拡大は、ヒトへの感染の機会が増えることにつながり、ヒトへの感染症例が増えることによってウイルスの感染力が増し、ヒトからヒトへの感染が容易となるウイルスが出現する可能性が高くなることから、WHOでは引き続き警戒を強めています。
予防策は?
鳥インフルエンザの家禽類及びヒトへの感染が確認された地域への渡航、滞在を予定されている方は、安全を確保するために引き続き以下のことを念頭において行動するようおすすめします。
- 手洗い、うがいなど通常の感染症予防対策を励行すること。
(手洗いは石鹸を泡立てて流水でしっかり洗うこと) - 鳥インフルエンザの流行が見られる地域の鶏舎やアヒルなどの鳥を放し飼いにしている場所に近づかないこと。
- 鳥インフルエンザの流行が見られる地域において、生きた鳥への接触、また、生きた鳥を扱う市場へは、不用意・無警戒に立ち寄らないこと。
- 発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などインフルエンザと同様の症状が現れた場合は早めに医療機関において受診するようにしてください。
発生状況は?
これまでに報告されている鳥インフルエンザの発生状況は以下のとおりです。
野鳥・家禽類等における鳥インフルエンザ発生地域(2005年1月以降)
- 高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)が確認された国・地域
インドネシア、カンボジア、タイ、中国、ベトナム、モンゴル、カザフスタン、ロシア、トルコ - その他の型の鳥インフルエンザ発生が確認された国・地域
韓国(H5N2型)、日本(H5N2型)、北朝鮮(H7)、ルーマニア(H5型~調査中)
高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)のヒトへの感染状況
2003年12月の発生以来の感染者数117人(このうち60人死亡)。
- タイ:感染者17人(このうち12人死亡)
2004年11月以降ヒトへの感染は確認されていません。 - ベトナム:感染者91人(このうち41人死亡)
特に2004年12月中旬以降の感染者は64人(このうち21人死亡) - カンボジア:感染者4人(全員死亡)、全員ベトナム国境のKampot省出身
- インドネシア:感染者5人(このうち3人死亡)
鳥インフルエンザ関連リンク
鳥インフルエンザ等感染症に関する情報は、つぎのホーム・ページで入手できます。
国立感染研究所感染症情報センター(Infectious Disease Surveillance Center)
日本国厚生労働省
米国疾病対策予防センター(CDC)
フロリダ州保健省
フロリダ州農務省
鳥インフルエンザに関して、ご質問等がある際には当館・医務官(代表電話305-530-9090)まで、お問い合わせ下さい。 |