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フロリダ州における「ビブリオ・バルニフィカス」感染症について


擦り傷や傷口を癒すために海水にひたすと良いとも言われますが、暖かい海岸水域に自然に発症する「ビブリオ・バルニフィカス」感染症が免疫機能の弱い人に、生命に関わる病気をおこすことは殆んど知られていません。

7月23日の、マイアミ・ヘラルド紙によれば、この感染症に2005年から2009年までの間にフロリダ州内で138人がかかり、31人が死亡したと報じられています。
具体例では、昨年8月、86歳の女性がビーチで過ごした際、左足に出来た小さな傷口から菌が侵入、4日後、同女性は敗血性ショックで病院に運び込まれ、足を切断する等の治療を行いましたが、約1ヶ月後に死亡しました。

水中のバクテリアは温度と塩分濃度の高い、4月から10月までにかけて増殖し、感染率も高くなりますので、これから渡航・滞在を予定されている方は最新の情報を入手するとともに、以下の予防対策を取って下さい。

詳細情報についてはフロリダ保健局(Florida Department of Health)のホームページにてご確認下さい。

 


(予防対策等)


● 症状:四肢や体幹に紅斑が出現、皮疹(多彩で、紅斑、紫斑、水疱、血疱、潰瘍などが混在し、また短時間で皮疹が変化する)、発熱(悪寒や傷口の痛み)、吐気、嘔吐、 下痢、血圧低下が起こります。


● 感染様式:

  1. 経口感染:菌によって汚染した甲殻類(貝や海老、カニなど)を生または十分加熱せずに摂取して感染する場合
  2. 経皮感染:海水中の菌が外傷から浸入、または貝殻などで足を怪我して感染する場合

● 治療・予防方法:感染した場合には早期の治療が重要ですので、症状が出た場合には直ちに医師の診察を受けるほか、次の点に留意して予防を心掛けて下さい。

  1. 魚介類の生食を避け、加熱調理した食品を食べるようにして下さい。
  2. 傷口や擦り傷がある人は海水に入らないほか、岩場で素足になることは避けるようにして下さい。
  3. 特に肝機能障害、糖尿病、がん患者、慢性腎臓疾患を基礎疾患として持っている人、鉄剤(貧血の薬)を内服中の人は感染しやすいとされていますので十分注意して下さい。

以 上